これまでの約30年間、高専シンポジウムは主に久留米高専および開催校の教職員の方々の極めて献身的な働きにより運営を続けてきました。しかし、最近の社会情勢、特にワークライフバランスにはそぐわない点が目立ち、今までの体制を維持するより、一般社団法人化して運営体制を見直すこととなりました。そして、2023年9月16日の本協議会理事会において選出された理事の互選により私が代表理事に就任しました。
本協議会は全国の高専生の研究発表の場としての高専シンポジウムを運営することを基本的な目的としています。これは今後も全く変わるものではありません。同時にシンポジウムの専門性を高め、全ての高専教職員および学生の皆様にとって、魅力あるシンポジウムとなるよう努めて行きます。
学生の皆様は日ごろの努力により、既に良い研究結果が得られている方も多いかと思います。応用研究では目的どおりの結果を得て、さらに先の目標に向けて充実した時間を過ごしていると想像します。しかし、その研究をサイエンスとして考えることを忘れるべきではありません。よく考えて組み立てた仮説を証明する実験により、その正しさが示せたときは、勿論、楽しいものです。得られた結果が予想に反する場合、その結果の正しさや理由を多方面から実験し妥当な方法で説明できると、より一層楽しさを感じられます。どちらかと言えば、研究の面白さはこちらにあると思います。今後、サイエンスとしての研究の醍醐味を味わい、その結果を論文発表できることを願っております。
一般社団法人高専シンポジウム協議会会長
(小山工業高等専門学校)
亀山雅之